9日放送の「日曜美術館」(NHK Eテレ)で、北野武が、自身の映画で暴力的なシーンを描く理由を明かした。
番組では「ピカソ×北野武」と題し、画家・ピカソを愛好する北野が“ピカソの1枚”として「泣く女」(1937年)を選び、その魅力を語っていった。
北野は、ピカソが「泣く女」で表現した複雑な感情について、自身の映画を引き合いに出しながら考察していく。
感情を表現することは「難しい」と指摘した上で、北野映画に極端な暴力シーンがよく登場する理由について
「振り子が±0の所にあり+(プラス)に“暴力”、-(マイナス)に“愛”があるとしたら、+10の暴力は10の愛になるポテンシャルエネルギーがある」と、自身の理論を説明したのだ。
続けて北野は「ものすごい暴力は、ものすごい愛に変わる位置エネルギーがある」
「中途半端な暴力は中途半端な愛情表現しかない」とし、自身における愛憎の表現方法について語った。
その上で、ピカソの「泣く女」について、北野は「怒っているのと泣いているのと、相乗効果で二つの感情が同時に爆発している感じがある」と指摘する。
さらに、絵の中に緑色などを使っている点に注目し、「これが肌色だとつまらない」と、ピカソの表現方法を分析していた。
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